PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

紫色のクオリア 1 綱島志朗

【内容説明】
 紫色の瞳をもった少女・毬井ゆかり。
彼女は、ニンゲンがロボットに見えるという――。
各評論等で絶賛されるなど、世に大いなる衝撃を与えた電撃文庫作品をコミカライズ!!(アニメイト)

-----------------------------------

 今回も原作知らずですいません。漫画を描いている方が『ジンキ』の綱島さんだからという本能でレジへ持っていきました。
 まずいですね、凄いです。凄い面白いです。久しぶりに手ごたえのあるコミカライズです。

 各種レビューを確認してみたのですが、原作は三部構成で二章となる『1/1,000,000,000のキス』がどうも大人気の様です。どこを読んでも傑作と記載されていますので楽しみです。原作を読むべくか悩みます。
 それにしてもやはり綱島さんはロボットが出てくると安心します。ロボット大集合の時は鳥肌物です。上手く盛り上げて、上手く読み手を感心させて終わります。お手本の様な話作りです。

 最初はちょっと変わった少女の出てくるホンワカ日常学園物だと思って読んでいたら、後半は思いっきりハード展開。ハラハラしながら読ませていただきました。

 ただ、私にとってバラバラ殺人の犯人がイメージと合わず読んでて軽い違和感を感じました。男でも良かったのかな……等と考えてしまいます。同じ視点から真逆の結論を出すにはそのぐらいの変化が欲しかったかなと……これはあくまでも私の勝手な感想です。

 理解できなかったのは毬井には自分以外の人間をロボットだと見えているのに、生身が存在する事も感じ取っている点です。自分が生身だという認識はあります。生身の定義をロボットに置き換えることで補完されている事は分かります。しかし毬井が考えている定義が正しい事を証明できる更なる存在はありません。人間をロボットだと認識する為の基準が分からないという所です。

 この書のベースは"マリーの部屋"という思考実験をベースに描かれています。私が読んで感じた違和感は"マリーの部屋"で感じた違和感と同じものです。クオリアの存在は否定できませんが、クオリアは定義が理解できません。"マリーの部屋"は実験なので定義が必要ないのかもしれませんが、こちらは物語ですので必要な要素です。
 自分が正しい目を持つのか、自分以外が正しい目を持つのか分からない事で壊れてしまった殺人犯の気持ちが自然です。彼女が壊れた事自体はクオリアの存在を肯定するのかもしれませんが……

 我々も目で見ている物が同じものを見ているとは限らないのだから、そこは説明をつけなくても良い部分なのかもしれませんし、今後語られるかもしれません。"哲学的ゾンビ"の話まで触れているので、もう一歩踏み込んだ毬井の心の中を覗いてみたいと思います。そこまで読んではじめて完結する物語なのかもしれません。

 それにしても我々がアニメを見て「あ、このロボットは砂漠専用だ」とか「機動力良さそう」と感じるのと同じ様に毬井は見ただけでその人間の才能を見出す事ができる能力を持っています。
 我々がザクタンクを見た時、高起動に宇宙で活躍できるものとは解釈しません。『ガンダム』や『ザク』を世界観含め知識として持っているのでザクがタンクになる事で活きる環境を想像できます。「使えないもの想像しやがって」というよりも「あーそうきましたか」と感じる要素が多いでしょう。更に目が肥えてくればザクレロが最高のMAに見えてくるものです。
 才能を見出す時は短所も認識しつつ、長所を活かす場を考える事ができます。短所以上に特長となる長所が先に目に入る。毬井が人に対して優しいのはこの感覚に近いのではないでしょうか。

 例えばこんな細かい部分まで読者のアンテナを拡げる事もできる。それだけの要素を含んだ作品です。恐らく原作が素晴らしいのでしょう。そしてそれをまとめた綱島さんの漫画の力なのだろうと思います。
 久しぶりに原作を読みたくなるコミカライズでした。


| 漫画感想 | 23:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://sanekane2.blog.fc2.com/tb.php/369-1f3407d3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。